スリランカ旅行記 その9 電車の旅 キャンディからコロンボへ
2018年1月1日 午前5時30分
6時15分発の電車に乗る為、駅に向かう。
前日下調べをしたところ、駅へは徒歩で15分ぐらいだ。
辺りはまだ薄暗いが、袈裟をまとったお坊さんたち、
また、お参りの為なのか、白い衣装を着た女性たちの集団がたくさん通り過ぎる。
気候が暖かい為、日本のように身を切られるような、キュッと引き締まったような空気ではないが、
元日の早朝にふさわしい清廉な感じだ。
…トカ思っていると、暗すぎて目印が分からなくなってしまい、
道ゆくおっちゃんに助けてもらって、駅に到着した。
コロンボ行きは3番乗り場から。
そんなに大きくない駅なので、乗り場はすぐに分かる。
乗り場案内に交じって、「Wi-Fiカードあります。」の看板がなんだか可笑しい。(ちなみに、乗った車両には座席下に電源もあった。。)
電車のチケットはスリランカ人の友人が取ってくれた。
スリランカの鉄道は、
「紅茶列車」の愛称で有名な、茶畑を通っていくメインラインや、
海岸線の際を走るコーストラインを始め、
他にも絶景ポイントを通る路線が多いので人気があるらしい。
今回の電車の旅は、コロンボからキャンディまでの約2時間半の旅だが、
どんな景色が見られるのかワクワクしながら
前方の窓から見える、駅の時計の時刻を眺めて待つ。
ガタン、という音と共に、電車がゆっくり動き始める。
…と同時に、景色もゆっくり後ろ向きに流れていく。
元々、進行方向とは逆に座って、眼前に窓があるんだから当然なのだが、なかなか奇妙な感覚だ。
駅を出たと思ったら、もう次の瞬間から目に入ってくるのは、
森(ブッシュ?)の景色のみだ。
後ろを向いている為、景色の予測が出来ず、突然、木々が視界に飛び込んで来る。
そして、結構ガタガタ揺れる。笑
ガタゴト揺れながら、時折は石のトンネルをくぐったり、カーブを曲がったりしながら、森の中を通り過ぎていく。
黒の格好いい制服を着た車掌さんに、これまた重そうな鋏でチケットをパンチしてもらったら、
空いている席に移動しても良いみたいだ。
そしてまた、しばらく緑の中をガタゴト走っていく。
次第に黒に近いような深い緑から明るい緑になって、青空も見え始め、
通り過ぎる駅も、オレンジやピンクで色味がかわいい。
窓から見える全ての景色が色鮮やかで、ポジティブに見える。
開発されて便利な環境で育った日本人が言えた事ではないのだが、
現在居住しているデリー及びその近郊を見ると、
青空って本当に貴重な財産
だと心底思う。
日々の生活を考えると、もちろんスリランカの人々にも便利に暮らしてもらいたいが、
この車窓から見える景色を大切にして欲しいと思う。
コロンボに近づくにつれ、景色もだんだん開けてきて、車や人も多くなってきた。
朝8時ごろ、元日だというのに、大勢の人が動いている。
のんびりした時間に終わりを告げ、さあ、私もまた出発だ!という気分になってくる。
8時43分、コロンボに到着。
電車の旅はゆったりしていた。
2等車、3等車だとまた様子が変わって、それも面白いのかもしれない。
今回、時間帯によるのか、車両によるのかは不明だが、
食べものを売る人が来なかったのが唯一残念だったので、
また次回トライしたい。(他の方のブログで見た、エビの入った揚げ物がめっちゃ食べたかった!!)
一回書き終えた後で追記;
もちろん、脳内BGMは、「世界の車窓から」だ。当然。