Waddyの主に食わず嫌い日記

Waddyが新しい事をした時にあげる日記

スリランカ旅行記 その8 キャンディ 幻のスリランカコーヒー

さて、仏歯寺の真近く(同じ広場といっても差支えないぐらい)に、

Natural Coffee http://naturalcoffee.lk/ というコーヒーのお店がある。

f:id:wadatomatoma:20180108175508j:plain

見かけはカジュアルな「Coffee shop」という感じだが。。

知人からの情報と、ネットでの口コミを少しみていたので休憩も兼ねて、とりあえず入ってみる。。

 

と!

 

足を一歩踏み入れた瞬間から、

 

コーヒーの良い香りが!

 

 店内いっぱいに充満している!!

 

なんという、幸せ(*´▽`*)空間!!!

 

(いささか失礼ながら、)お店の外観の印象とのあまりにものギャップに一瞬うろたえかけたが、

 

あらためて店内を見渡すとインテリアも落ち着いた感じで、

 ところどころに素敵なカップが飾ってあって、

f:id:wadatomatoma:20180108180159j:plain

カップはいろんな国から集められたものらしい。

f:id:wadatomatoma:20180112152900j:plain

 

そして、BGMはショパンだった。

 

もうそれだけで、(驚きすぎて)長旅の疲れもリフレッシュされたが、

お店は二階建てで、上階も心地よい場所だった。

 

すでに何組かの大きなバックパックを持った客が、旅のガイドブックを眺めながら、ゆったりとくつろいでいる。

f:id:wadatomatoma:20180108175551j:plain

二階からの景観。すぐ左手に仏歯寺がある。

 ネット上のレビューから、このお店には日本式カレーライスがある事を知っており、(カレーうどんもあった!)

メニュー上での写真でも、ものすごーく美味しそうで最後の最後まで迷ったけれど、

 

このお店の雰囲気にも後押しされて、スイートポテトのケーキと、スリランカ豆のコーヒーを注文。

f:id:wadatomatoma:20180108175621j:plain

Golden Lovers という名前のスイートポテトのお菓子(230Rs. 約170円)と、French Press Natural Coffee (350Rs. 約250円)

 フレンチプレスで淹れられるコーヒーには砂時計がついており、

砂が全部落ち切ったら、コーヒーをカップに注ぐ。

 

はちみつとバターとスイートポテトの程良い甘さのケーキと、

ちょっと酸味のある、しっかりとした味のコーヒーを味わいながら、

 

広場を行きかう人々を眺め、しばし、脳と体を休める。

f:id:wadatomatoma:20180112153027j:plain

 

 階下に降りていくと、日本人らしき男性が葉っぱのような物を袋に詰めていた。

 

この男性はオーナーの吉盛さんで、袋に詰めていたものは、

 コーヒーの葉から作った紅茶だった。

 

 挨拶をすると、吉盛さんは作業中にも関わらず気さくに対応してくれ、

私がインドから来た、という事を告げると、

ご自身も以前はインド駐在員だった事を教えてくれた。

f:id:wadatomatoma:20180108175651j:plain

オーナーの吉盛真一郎さん。

 思ってもみなかった所で、デリー近郊の日系工業団地の昔話などが出て、

(多分、私だけ)盛り上がったついでに、

 

何故、スリランカでもコロンボではなく(私はコロンボ派)、

生活もまだまだ不便なように見えるキャンディに拠点を置いているのか尋ねたところ、

 

吉盛さんは、ただ、

 

「ここキャンディの近くにアラビカ豆の産地があって。」

 

とだけ仰ったのだが、

f:id:wadatomatoma:20180108175727j:plain

キャンディから少し南に行ったところにコーヒー豆の産地があるのだ。

 後で調べてみると、

 

スリランカはもともと18世紀~19世紀にかけて、紅茶ではなくコーヒーの一大生産地として有名だったが、

 

ある時、「さび病」の流行によってコーヒーの木がやられてしまった、

(そしてそれを機に、当時の統治者が紅茶農園に全て切り替えてしまった、)

という経緯があり、

 

近年スリランカでは、このなくなってしまったコーヒーの復活を国家のプロジェクトとして挙げている。

(詳しくは、日本フェアトレード委員会の売ウェブサイトにて。http://www.fairtrade-japan.org/sri.html )

 

日本も以前はJICAを通して協力を行っていたものの、現在は残念ながら終了になってしまったようだ。

 

吉盛さんはこの活動の継続を願って独立し、

 

コーヒーそのものだけでなく、コーヒー農家の方や女性の雇用について、

支援や協力をされているようだ。

 

この、良い香りの居心地の良いお店は、

別に歴史や背景を知らなくても、十分に満足できる。

 

だが、

このコーヒー豆が一度は失われて、

いろいろな人の尽力があって復活したものだ、と知れば、

一層、深く楽しめると思う。

f:id:wadatomatoma:20180112174643j:plain

店内でコーヒー豆やドリップのパックも購入できる。デリーにも自分で焙煎をやってしまうぐらいコーヒー好きがいるので、お土産に豆を買った。

 

にほんブログ村 海外生活ブログ インド情報へ
にほんブログ村