五つ星チャイ
Ministry of Crab で蟹を食べた後はお茶を飲む事に。
ロビーにあるティーショップでカッティングチャイと紅茶を注文。
運ばれて来たチャイは、容れ物が可愛い事もさることながら、すっきりとした爽やかな味であった。(カルダモンという香辛料が入っているらしい。)
…というか、すっきりとした爽やかなチャイなんてこの世にあったのか。。
気分的には、コッテコテの甘ーい、路上で6ルピー(約10円)程で売っているチャイで良かったのだが、
5つ星ホテルにかかると、チャイもこんなに垢ぬけてしまうのか、と感心してしまった。
今回ご一緒させてもらったNさんとSさんの話す事は、海外の第一線でバリバリ働くビジネスマンらしく、
豪華かつ不便な生活の様子だったり、時には命の危機もあったり、
今では世界有数になってしまった企業の駆け出しの頃の様子だったり。。
出てくる話題のスケールの大きさに驚くばかりだが、本人はさらりとしている。
華やかな事も泥臭い事も、上手くいった事も、いかなかった事も、
その渦中では本人はそこで必死にやっているだけであって、
良いも悪いも全部を混ぜた経験に、時間が後でラベルをつけてくれるだけの事だ。
ここで飲むチャイも同じ事かも知れない。
インドの路上、マレーシアの兄弟、香港の経営者、イギリスの建築家、etc.
いろいろ混じった中に、時間(歴史)が作用して、洗練されたものが生み出されるのだ。
Ministry of Crab in デリー
2018年1月20日
スリランカで一番の有名店、Ministry of Crab がデリーでイベントを開催したので、シャングリラホテルに行ってきた。
Ministry of Crab は、ダルシャン・ムニダーサ氏が手掛ける、Asia's 50 best restaurants にランクインするレストランだ。
現在、世界各国から出店の引き合いがあり、インドではムンバイ進出が決定した。
(尚、デリー進出、ならびに、氏が手掛けるもう一つのレストラン「日本ばし」のインド進出は現在計画中との事。
ちなみに、「日本ばし」も Asia's 50 best restaurants にランクインしている。)
店内にはムニダーサ氏もいらっしゃり、挨拶をする事ができた。
それにしても、ムニダーサ氏はプロフィールからすると、1970年生まれの47才のハズだが、全くそうは見えない。
30代前半~いいとこ40才以下に見える。(写真より断然若い。)
やはり、シェフだとか、きちんとした物をきちんと食べている人(注:イメージ)は老けないのだろうか。。
さて、今回のイベントでは、4品から構成されるコース料理が用意されている。(この4品は単品でも注文可能。)
1品目はエビのスープ。
めちゃくちゃ濃厚なスープにパンを浸して食べる。
全く辛くなくて、エビのダシの味の邪魔をするものはない。
続いては、Baked Crab。
メニューの説明には蟹のリゾット?と書いてあったが、お米は見当たらず、
蟹の甘みのまろやかな料理だった。
3品目は大きなエビ!
危うく、これがメインかと思ってしまう。
しっかりした歯ごたえが嬉しい料理。
そして、本日のメインのブラックペッパー・クラブ!!
これは、「蟹が美味しい」とか、「エビが美味しい」とかを超えて、
「Black Pepper Crab という料理」が美味しい!!
生命維持の延長線上の、文字通り日常茶飯のアクティビティの中での良し悪し(美味しい・まずい)ではなくて、
もっと、本を読むとか、映画を観るとか、音楽を聴くとかと同じように、味覚を楽しませているような感覚だった。
料理を芸術と呼ぶ事に関しては賛否両論のようだが、この料理は完全にエンターテイメントである。
シェフが作り上げたレシピは、「作品」という方がしっくりくる、と思った。
Ministry of Crab に行くときは、Black Pepper Crab が絶対にオススメである。
新年賀詞交換会
2018年1月19日
大使公邸で行われる新年賀詞交換会は一年で一番楽しみにしているイベントだ。(まだ年が明けてから1カ月も経ってないけど^^; )
なぜならこのイベントでは、
お節料理・お雑煮・お寿司・天ぷら・日本風カレー・焼きそば・ぜんざい 、、、
その他いろいろのご馳走が振舞われるからだ!!
ネットワーキングはどうした、と言われてしまいそうだけど(^^;)
賀詞交換会に限らず、こういった大勢集まる会でたくさん挨拶だけ交わしても、結局その後会う事もなく、名前も顔も忘れていってしまう人が多い。
どれだけその瞬間が楽しくても、継続がなければ人間関係は意味がなく、
こういう場では、今後も親交を深めていける、気の合う人がたった1人でも見つかれば大収穫だと思っている。
ましてや今日は殆ど日本人の集まりなので、まだまだ狭いインド日本人コミュニティにおいて、
出身地や年齢が一緒だったりとか、特に縁がある人は今後、自然に顔を合わせていく。
なので、ご無沙汰になっている親しい人達に挨拶をする以外は、
基本、ご馳走目当でオッケーなのだ!(^^)!
それにしても、大勢の人が全員、お腹を十分に満たしても、
まだまだたくさんご馳走があるとは、どれだけ幸せな光景なんだ。。(T_T)
インドにいると、ふだん食材が手に入りにくい分、
お正月に皆でご馳走を食べて、また新しい一年の豊穣や繁栄を願う、
という風習の意味を肌で感じる事ができる。
インドとはいえ1月は寒い日も多いのだが、
この日は正に一年の始まりを祝うのにうってつけの、暖かく春のような天気で気持ちが良かった。
そんな中で、ご馳走を食べ、親しい人達と近況を取り交わすうち、
楽しい時間はあっと言う間に過ぎていき、
「一年で一番楽しみなイベント」は、今年も大満足のうちに終わってしまった。
この場だけは変わらず、来年も息災で参加出来る事を願っている。(今年もまだあと11か月以上あるけど。)
ホテルでカンヅメ
2018年1月14日
デリー市内の Le Meridien New Delhi http://www.lemeridiennewdelhi.com/に来ている。
ブログを書くのがあまりにも遅いのでホテルでカンヅメに、、
…という訳ではなくて、
ビュッフェのバウチャーをもらったからだ。
せっかくデリーの五つ星ホテルに行くので、
ちょっと早く行ってコーヒーでも飲みつつ、ブログを書こう!
という魂胆である。
正面じゃない所から入ってしまったので少し歩くが、
もう、どこもかしこもピッカピカで、歩くのが楽しい笑
インドは昔から分業制で、その中でも掃除を生業にする人々は身分が低いと考えられていた為、
職場や自宅できちんと出来てない所があっても、「仕方ない。」で済ませている事も多い。
一方、ここの人たちはピシッと制服を着て、外見上で他のホテルマン達となんら変わらない。
そういう所も違いなんだとしたら、
掃除の仕上がりに差が出てくるのは、むしろ雇う側の「掃除」に対する価値観が反映されてるだけなのかも? と、
ピカピカの廊下を歩いているうちに、そう思えてきた。
さておき、廊下を通り階段を上ると、広いロビーに出た。
青いライトを用いたモダンな雰囲気がちょっと意外だ。
中央付近はコーヒーショップになっており、数々のスイーツやサンドイッチなどが置いてある。
後にビュッフェが控えてるので、クッキーとカフェラテを頼んだが、
チョコレートセサミ味のクッキーがゴテゴテせず、さっぱりしてて美味しかった。
(なぜか、そばぼうろを思い出した。。懐かしい。。)
インテリアに青や黒を多用しているのにロビーは暖かく、明るく、くすみがない。
スタイリッシュなインテリアとは裏腹に、空気が柔らかでとても寛げる。
…寛ぎすぎて、ブログは一向に進まなかった_(:3 」∠)_。
でもまた来よう。
クッキーとコーヒーだけなら、600ルピー(約1050円)だし。
もらったバウチャーは、ホテル入口近くにある、“コーヒーショップ” the One のビュッフェのものだ。
コーヒーショップといっても、十分素敵レストランである。
料理を取るところは中央に固められており、
他のホテルの様に、だだっ広いところに和食やら中華やらタイ料理やら、
幅広い範囲の料理が網羅されている、という訳ではないが、
ひとつひとつ、質の良いものが集められたような感じで、
なんにせよ、普段なかなか見る事ができない食材が一堂に会しており、
多少壊れて、アスパラガスを大量に取ってしまう始末だった。←アスパラも普段は高くて買えないのだ(-.-)
インドは輸送の問題と、宗教(及び、その宗教を支持母体に持つ政党)のせいで、
食材の持ち込みが厳しく、
こちらに住む外国人はみんな、食について苦労をしている、、
と思ってたが、
普通に、あるところにはあるんやん。。
日本人が、いくらその人の所属が世界的大企業であったとしても、それだけでニコニコ対応してもらえるのは、
いわゆるミドルクラス~アッパーミドルクラス
(+昔は小さな企業だったが、日本に関する事で成功した人)
ぐらいだろう。
それ以上は、会ったとしても気に留められていないか、そもそも接点がない。
でも、実際は、
あるところにはあるし、
もっと上の世界もちゃんと存在するのである。
日本人が相手にされるには、もっと教養を身につけるとか、
趣味や特技を磨く、とか
キャラクターで勝負するしかない、と感じている。
微々たるものだが、何かしらの創作活動という点で、ブログを書くことも前進だ。
いつか(近いうちに)は涼しい顔をして、このホテルにカンヅメになりに来れるようにしたいと思った。
スリランカ旅行記 その13 コロンボ Ministry of Crab
ダッチホスピタルでのもう一つの目的は、Ministry of Crab http://www.ministryofcrab.com/に蟹を食べに行くことである。
このレストランはなんとAsia's 50 Best Restaurantsにランキングする有名店なのだ(2017は29位)。
…なのだが、事情に疎い私は予約なしでノコノコ現れ(-_-;)
当然、入店を断られた(^^;)
夕方には空港に向かわねばならないので、どうにか空きがないか調べてもらうと(すみません(-.-))、
見かねた店員さんがバーカウンターに通してくれた。
店内に入ると、天井が高くて、照明も綺麗で、広々してて…
…??
座ってじっくり見ると、丸いライトは海中の泡で、観葉植物も海藻みたい。
そう思って見れば、ところどころの黒とオレンジも岩々と蟹の甲羅にも見える。
あたかも、自分が海底(か、もしくは水槽の中)にいる様で、
さすがMinistry of Crabという名前に相応しい内装だ。注:勝手なイメージ。
お昼時なのでバーは忙しくはなく、店員さんがお店についていろいろ教えてくれ、
ついでに、Asia's 50 Best Restaurantsのシェフ達が自己紹介を兼ねてレシピを掲載している本を見せてくれた。(レシピ見ても作れんけど~(-.-))
カテゴリー別に分かれているのだが、どの分野にも日本人シェフがたくさん載っている。
インドにいると、「日本人は料理上手。」と言われても別段不思議ではなく思えてくるが、
それでも、料理界ではこんなにたくさんの日本人(しかも見た感じ若い人が多い)が、
世界を相手に結果を出しているのか。。
と、誇らしさと神妙さが綯交ぜになった気分になった。
そうこうする内に、お待ちかねのカニが運ばれてきた。
殻にもちゃんとハサミが入っていて、食べやすくされている。
ハサミを使わなくても、そのままフォークで摘まめるぐらいの肉厚の身を口に運ぶと、
ガーリックチリオイルの味つけもなんのその、
何よりも、蟹の甘みが飛び込んできた。
(T_T)
何故か郷愁。
これはカニ鍋で食べても絶対美味しい。ズワイやタラバに負けてない。
個人的にはオイルがもっと少なくても良かったけど、
とにかく、ここで蟹が食べれてほんとに良かった。。
と、幸せを噛みしめながらせっせと蟹を食べていると、
さっきの本を見せてくれた店員さんが言った。
「あの人がボスだよ。(^-^)」
このお店のオーナー、Dharshan Munidasa 氏であった。
とりあえず、蟹の味とお店の内装とスタッフの応対が良かった事を伝えようと、滅茶苦茶な(かつインド訛りな)英語で話しかける。
すると、氏はニッコリと微笑んで、日本語で返してくれた。
手をふくのに温かいお絞りが出てきたので、
「この店、ただ者ではないな。。」
と思っていたのだが、なんとなく合点がいった。
たかがお絞り一つでも、(たとえ知識を教えていたとしても、)きっちりとスタッフに実行させるのは、特に海外では難しい。
蟹の料理も本当に美味しかったのだが、
こういう些細なところで垣間見える、お店の「自尊心」が、
さすがはランキングの常連店だな、と思った。
といっても、まったく格式張ったりした感じではなく、
スタッフも、店の内装も、遊び心のある小道具も、
南国らしい、明るくこなれた感じであり、
そのイキイキ感が、訪れた客も元気にさせてくれるような、楽しい店だった。
スリランカ旅行記 その12 コロンボ オールド・ダッチ・ホスピタル
2018年1月3日
前日20時ごろ、コロンボに到着した(ミリッサからの所要時間は約4時間)。
宿泊したのは、Booking.comでも人気の55TG Boutique Suites。
もともと個人の家を改装したようで、豪邸に住んでいる気分が味わえるのが良い。
(住宅地の中にあり、見つけるのに苦労したけど。。)
驚いたのは、浴室とトイレが分かれていた事。
どちらも清潔感と装飾のバランスがとても良く、
小分けでないシャンプー類の容器もシンプルで、
そういった所がところどころ真似出来そうで、とても参考になった。
予定を立てていた時から、ここはスリランカ滞在の最後の宿だから、
ゆっくりして、作家気分でブログを書いたろ!
と楽しみに思ってたのに、疲れすぎたのか泥のように眠ってしまった( ;∀;)
ぐっすり眠って一夜明けると、空は快晴で眼前の庭は美しく、蓮の花が咲いていた。
朝食を取りに母屋?に向かう。
出してくれた朝食はフルーツを皮切りに、スリランカ料理やトースト、オムレツなど盛りだくさんだ。
この家のメイドさんが作っているらしく、家庭料理の味で食べやすい。
ダール(豆)のカレーなどは美味しくて、ポットでおかわりをもらった。
たくさんの美味しい料理と、フレッシュジュース、セイロンティーなどをゆっくり楽しみながら、
来世はスリランカのお金持ちに生まれたい、と思った。。
チェックアウトをしていると、ウインドチャイムの澄んだ音が微かに聞こえてくる。柔らかで癒される音色だ。
もっとゆっくりしていたかったが、今日はフォート地区のダッチホスピタルに行く予定なのだ。
フォート地区は官公庁や金融機関、高級ホテルが立ち並ぶコロンボの中心地区で、
「ダッチホスピタル」とは、オランダ統治時代の病院の跡地を改装して出来たおしゃれなショッピングモールである。
フォート地区には138番のバスで行くことが出来る。中心地から離れたところにあるホテルからは25スリランカルピー(約18円)だった。
アジア風の長く続く瓦葺の建物の中にいろいろなお店がテナントとして入っている。
建物は風通しの良さそうな造りで、レストランなどは半分オープンエアだ。
入っているお店も、Ministry of Crab、SPA Ceylon、 ODEL 、Dilmahのティーラウンジなど有名どころが多い。
今日の目的は、Ministry of Crabでカニを食べる事と、お土産を買う事である。
ODELで紅茶を買った後は、親戚にスパセイロンの期間限定商品の石鹸(包み紙がサンゴ礁と色とりどりの熱帯魚の柄で可愛い。)を買おうかずいぶん迷ったが、
Barefoot のお店のカラフルなぬいぐるみを見た瞬間にテンションが爆発。
種類は、サイとか、ロバとか、エリマキトカゲとか、もっとたくさんいたけど、亀とトカゲが可愛かったので集中して購入。
(サイズにもよるが、一つ1500ルピー(約1100円)前後。)
ひとつひとつ色と表情が違って、めちゃくちゃ迷う。
ものすごく迷ったけど、いつもの「使うか、使わないか」で迷うより、
遥かに幸せな悩みだった。
使わないものだけど、
「可愛いから欲しい!」
と思うのは、いつ振りだろう。。
なんとなく、ずっと忘れていた楽しさを思い出した気分だ。
テーマに沿ってビシッと調えられた部屋は憧れだし、
もちろん限度もあるけれども、
こういった、「自分が好きだと思ったもの」を効用とか用途とかを考えずに取り入れるのも、また豊かな事なのかもしれない。
スリランカ旅行記 その11 ミリッサ クジラのいる海
2018年1月2日 午前6時15分
宿から手配したホエールウォッチングツアーのお迎えが来てくれるというので、宿の裏庭にて待つ。
朝の海には誰もおらず、とても静かだ。
…って、もう既に指図された時間を過ぎてるのに、どういうことじゃー!!
と思っていると、犬がやってきた。
一人と一匹でしばし海を眺める。
さすがにちょっと不安になってきた頃、一人の若者がトゥクトゥクに乗って現れた。
…と思うと、私もトゥクトゥクに乗せられ、
どこかの、人が多く集まっている所に着いてチケットを購入し、
その後更にどこかへトゥクトゥクを走らせ、
たくさん停まっているボートのうちの一つの前で止まった。
ほとんどドア to ドアで、
またチケット売り場やボート乗り場への移動はややこしそうだし手配を頼んでおいて正解だったが、
もうちょっと説明があっても良いのではないかな。笑
ツアーの料金は6500スリランカルピー(約4650円)。
シーズン中(11月~4月)である事と、
少し前に政府の通達があってボートの規格があがったので、昔より値上がりしたらしい。
確かにチケットは共通の場所で買うので、妙な事はなさそうだ。
(逆に、安い料金を提示してくる人は怪しいのかもしれない。)
因みに、友人が勧めてくれたが日程が合わず断念した、Navy主催のホエールウォッチングツアーの外国人料金はひとりにつき60USドルだ。(HP参照)
Sri lanka Navy Whale Watching | SLN
さておき、乗客の数がある程度そろった7時15分、ボートは出発した。
出発してしばらくすると、乗客にサンドイッチが振舞われた。
ペットボトルの水はいつでも気軽にもらえるし、その他、酔い止めの薬なども完備している。
ボートが出発して1時間程たったので、デッキに出てみる。
波は穏やかで、眺めているとゼリーがプルプルしているかのように見えてくる。
ポイントに着いたらしく、ボートのクルーが
「さあ、あと5分でクジラがやってくるよ!」
とアナウンスし、ドヤドヤと乗客がデッキにやってくる。
シーズン中、この海ではほぼ毎日クジラが見えるらしいから期待が膨らむ。
…が、全くクジラの姿は無し。
ボートはまた進み始め、今度は少し波が出てきた。
少し気分が悪くなってきた気がしたので、今更だけど酔い止め薬をもらって飲んだ。
クルーはみんな親切だ。
その後、ボートは幾度かポイントを変えるも、まったくクジラの、というより生物の気配がない。
しばらく経って、ようやくイルカが一頭、遠くの方に見えた。
が、海はまた沈黙に戻る。
今、波は殆どなく、ただ大海原にプカプカ浮かんでいるだけだ。
時折、トトトトーっと船にエンジンをかけ、「おっ!」と思うが、
少し進むとまた停まる。
この辺りにクジラがいるのは分かっているのだが、なかなか海面に上がってこないのだ。
日差しは結構きつく体力が消耗され、自分だけでなく他の乗客にも疲労の色が濃くなってきたのが見える。
まあ、クジラを観れなくても、このままボケーっと海に浮いてても良いかな。。
と思えて来た頃。
前方で歓声があがった!
一頭のクジラが頭をほんのちょっとだけ海面にだし、潮吹きをして海に潜っていったのが見えた。
二頭目は、尾びれを上げたのだけ見えた。
そして三頭目。
見えたのは半身(?)のみだったが、ボートほどの大きさがある巨大なクジラが、
光沢がある黒い体をうねらせながら海中から現れ、また海中に潜っていった。
ほんの一瞬だったが、その姿は鮮烈で、
それだけで、4時間待った疲れが吹き飛び、ツアーの思い出は最高のものとなった。
(おまけにウミガメも見れた。可愛かった。)
結局、宿に戻ってきた頃には14時を過ぎていた。
宿の裏庭のレストランで海を見ながら、昼食をとる。
食事を終えたら、コロンボに帰らないといけない。
さすがに疲労が出てきたのと、波の音が心地よいのでしばらくボヤボヤしていたが、意を決して宿を後にした。
ミリッサからコロンボに帰るには、いったんMataraという所に行き、
そこからハイウェイバスに乗るのが良いらしい。
教えられた道端のバス停(美容院の前、目印はない)で待っていると、
親切なおっちゃんが、「そこで待っててもバスは停まらないよ。」と、
3メートル先の停車ポイントを教えてくれた。(そこにも目印なんてない。)
スリランカのバスにもだいぶ慣れた、と思っていたが、やはりまだまだのようだ。
バスが来たので、あわてて飛び乗ってしまったが、おっちゃん、本当に有難う!
Mataraのバスターミナルに到着。
ハイウェイバス乗り場は、ローカルのバス停留所とは反対側の海に面したところにあった。
夕焼けの中、ここからコロンボに帰る。